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感想 <インターネット>の次にくるもの

本書は、現在のいわゆる「メガトレンド」がこのまま進んだら(このまま進む事は「不可避」inevitable だと著者は言っていて本書の原題になっている)どうなるかを描いている。本書自身が言っているように技術発展は事前に想像もしていない結果となるものであり「現在のトレンドがこのまま進んだら」という結果にはならないものだが、それでも広い視野で先を見通してみることには意味があるだろう。

各トレンドを「~ing」で表し、将来そうなるのではなく、現在そうなりつつあるという視点で語っているのも特徴。

本書や著者の前書は、雑誌やネットで盛んに言われている「メガトレンド」や「デジタルトランスフォーメーション」の元ネタでもあるので、あっと驚くような新しい知見は少ないが、それらの話を断片的に聞いており全体像を理解したい人には有効。すでに自分なりに全体像を把握している人にとってはちょっと物足りないかも。

 

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

 

 

感想 Cloud First Architecture 設計ガイド

「Cloud First Architecture 設計ガイド」という書名は狭すぎる。クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」から始まり、ウィトルーウィウスの「建築書」で終わる本書はイノベーションアーキテクチャについての本だ。

エンタープライズのエンジニアにとって、すぐに実適用の対象にならなくても、本書にある「クラウド・ファースト」をはじめとする新しい技術を「横目でよいから、きちんと「これは何に使えるのか?」と見続ける」(本書より)事が重要であり、本書はそのための最適の本であると言える。

記述はIaaS/PaaS/SaaSの実務的な定義から始まり、アジャイル/DevOpsを経てマイクロサービス・アーキテクチャ(MSA),ドメイン駆動開発(DDD)にまで至っており、今、旬のテクノロジーを一通り理解する事が出来る。もちろん、「一通り」であって実務適用にはもう一段、二段の深堀りが必要だが、あふれる情報の中でどこから手をつけたらよいか迷っているエンジニアにとっては格好のガイドとなっている。また,本書ではアーキテクトの仕事についても一通りの説明がなされていて「アーキテクトって何?」と思っているエンジニアには役に立つと思う。(こちらもこれをとっかかりに深堀りが必要なことは当然。)

本書のように最新のテクノロジーの本質と実務との関わりを網羅性とストーリーをもって記載した本は今までなかった。「新しい技術を横目で見続ける」ためには、各人が専門書を読み、勉強会に行き、ネットで情報を得て行くしかない。それは今でも変わらないが、本書はそのための現時点でのガイドとしてはベストだと思う。IoT関連、AI関連など記述が少ない領域もあり、新しい技術やトレンドも出てくるだろうが、それを各人がフォローして行くためのベースとしても本書は有効だろう。

特に、エンタープライズで現在取り扱っている技術がどうも時代遅れなんじゃないの? 雑誌やネットではかっこいい情報がたくさんあるけど全体としてどうなってるの? と思っているエンジニアにはお勧め。参考図書/参考資料はもっと充実してほしかった。

 

Cloud First Architecture 設計ガイド

Cloud First Architecture 設計ガイド

 

 

感想 オレゴン大学の実験

超有名なこの絵 Tire Swing Cartoon の元ネタである「オレゴン大学の実験」を読みました。

システム開発の要件定義で使われる事の多い絵ですが,元々は建築計画の分野での話だったのですのね。

建築分野からのシステム開発分野への展開は良くある話で,「職業としてのソフトウェアアーキテクト」といった名著もありますね。

やっぱり建築とソフトウェアは違うんじゃないの,と言った意見もありますが,やはり建築分野は歴史の重みがありますのでソフトウェアが参考にすべき知見が多いのは否定できないと思います。

この本は,原著1975年で,40年以上前の本なのですが,エンドユーザーの要件定義への参加,部分最適全体最適をバランスさせる方法,パターン・ランゲージ等,現代のソフトウェア開発における課題がこの時代の建築計画の分野で課題認識されており,提示されている解決方針が的確(現代のソフトウェア開発分野で通用する)のには驚きました。(特にパターン・ランゲージの起源がここにあったとは浅学ながら知りませんでした。)

ソフトウェアエンジニアの教養として読んでおくべき本と思います。

 

 

オレゴン大学の実験 (SD選書)

オレゴン大学の実験 (SD選書)

 

 

 

職業としてのソフトウェアアーキテクト (Software Architecture Series)

職業としてのソフトウェアアーキテクト (Software Architecture Series)

  • 作者: マークスウェル,ローラスウェル,Marc T. Swell,Laura M. Swell,倉骨彰
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2002/08
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感想 落合陽一「魔法の世紀」

落合陽一さんの「魔法の世紀」の感想です。

 

・「人間中心主義を超えたメディア」の概念は,プラトンの芸術論:イデアイデアの模倣としての自然−自然の模倣としての芸術 を連想させます。

・160ページの図2,第1象限の「祝祭」についてはあまり言及がないですが,ニコニコ超会議コミケあるいは2015年紅白のperfume小林幸子のようなイメージ?

・落合さんは解像度を上げる方向性。低い解像度で新しい認識をもたらすという藤井直敬さんの代替現実(Substitutional Reality/SR)についてはどう評価しているのだろう?

 

技術の発展とアートが相まって発展して行く様は,落合さんも言うようにルネサンス期を彷彿とさせてエキサイティング。さしずめ,落合さんはダヴィンチ?(ほめすぎ?)

 

 

魔法の世紀

魔法の世紀